日本で使われる袈裟の多くは、テクノウインが織った生地からつくられています。寺院での勤行や法要、日々の修行。その場で僧侶が身にまとう袈裟の一部は、石川県羽咋市にある私たちの工場から、一反の生地として送り出されたものです。

糸が袈裟に仕立てられ、使う方のもとへ届くまでには、多くの人の仕事があります。その中で私たちが担ってきたのは、織物をつくる工程です。表に名前が出る機会は少なくても、求められる生地を織り続けることで、長年にわたり仏教の装いを支えてきました。

その仕事を支える技術の一つが、からみ織です。経糸を互いに絡ませながら緯糸を通し、繊細な透け感を持つ生地を織り上げます。糸の張力、絡むタイミング、緯糸の打ち込み。それぞれを整え、美しい織り目を生地全体で揃える必要があります。

袈裟の生地を供給するには、この繊細な織りを、必要な量だけ安定して生産できなければなりません。自動織機による生産と、その動きを支える人の知見。この両方があって初めて、継続的な需要に応えることができます。

いま、その生産を支えてきた建物や設備は古くなり、織機には部品の供給が止まっているものもあります。現場の技術を次の担い手へ伝えることも、急がなければなりません。からみ織を受け継ぐことは、これからも袈裟の生地を届けられる環境を残すことでもあります。

能登には、暮らしの中に根付いた禅の文化があります。私たちは、その営みを織る仕事で支えてきました。これからも必要とされる一反を届けるために、技術を伝え、設備を整え、織り続ける。その日々の積み重ねが、日本の装いと祈りの文化を、次の世代へつないでいきます。