からみ織というと、まず夏の着物を思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、からみ織の技術は、着物だけではなく、僧侶が身につける法衣や袈裟にも使われています。
その代表が「紗(しゃ)」と「絽(ろ)」です。
紗と絽は、からみ織の一種
一般的な平織では、経糸と緯糸を上下に交差させて布をつくります。
これに対して、からみ織では、経糸同士を絡ませながら緯糸を固定します。
そのため、糸と糸の間に空間をつくりながら、織物としての組織を維持することができます。
紗は、からみ織の基本的な組織です。
絽は、からみ組織と平織などを組み合わせてつくられます。
つまり、紗や絽の「透け」は、単に糸を粗く並べた結果ではありません。
経糸を絡ませることで、意図的に空間を残しながら布として成立させる。
そこに、からみ織の特徴があります。
なぜ夏の衣に使われるのか
紗や絽は、古くから夏物の織物として使われてきました。
布地に空間が多く、空気を通しやすい構造を持つためです。
こうした特徴は和装だけではなく、夏季に僧侶が身につける法衣や袈裟にも利用されています。
袈裟にも紗と絽が使われている
現在でも、夏用の法衣や袈裟には紗や絽が使われています。
五条袈裟や七条袈裟などには、絽地や紗地を使ったものが実際につくられています。
これは特定の宗派だけのものではなく、禅宗の一つである曹洞宗でも、紗や絽を使った袈裟が現在製作されています。
曹洞宗向けの法衣には、「七本絽」「三本絽」「透紋紗」など、織物の組織そのものを名称に含む袈裟もあります。
からみ織と禅の間には、実際の「衣」を通じた接点があります。
技術と文化は、思わぬところでつながっている
能登には、曹洞宗大本山總持寺祖院があります。
一方、この地域には、からみ織を現在まで織り続けてきた工場があります。
からみ織という技術は、紗や絽という形で、現在も曹洞宗の袈裟や法衣に使われています。
地域に残る織物技術と、地域に根付く禅文化。
一見すると別々に見える二つのものの間に、「衣」という具体的な接点があります。
からみ織を知ることは、織物だけを知ることではありません。
その布が、どこで、何のために使われてきたのかを見ることで、技術と文化のつながりも見えてきます。
「紗絽」から生まれた SHALO
SHALOという名前は、からみ織を代表する二つの織物、「紗(SHA)」と「絽(RO)」に由来しています。
紗も絽も、長い歴史の中で受け継がれてきたからみ織の技術です。
SHALOが目指しているのは、それらを昔のものとして保存することだけではありません。
受け継がれてきた技術を現代の市場や暮らしにつなぎ、新しい用途や価値を生み出しながら、次の世代へつないでいくことです。
法衣や和装に使われてきた紗と絽も、からみ織が持つ一つの可能性です。
技術は、使われることで残っていく。
SHALOは、「紗」と「絽」に象徴されるからみ織の技術を起点に、その新しい使われ方を探していきます。